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憧れの人
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「おぬし一人で対処せいと言うたではないか。」 「そんなこと言ったって、アクシデントだったんですよ〜。」 火影の執務室にいるのはカカシと三代目火影の二人きりだ。被害状況を証言してもらう、という名目でカカシ一人が執務室に残り、イルカは受付勤務に戻っている。執務室を出る時のイルカを思い出し、カカシはふっと胸に温もりを覚えた。何度も何度もカカシのことを頼むと火影に頭を下げ、心配でたまらない、といった様子でイルカは受付へ戻っていった。 大丈夫です。あなたのことはオレが守る。 イルカの言葉がよぎり、カカシはフッと口元を緩めた。 「何をにやけておる。」 「てっ。」 火影のキセルにぱこっとはたかれ、カカシは頭を押さえた。 「だから〜、イルカ先生がピンチだったんですよ〜。暗部連中呼ぶしかないでしょ。」 「イルカとずいぶん親しげな様子じゃったが。」 じろりと睨まれ、カカシは肩を竦めた。 「ちょっとね、特売仲間っていうか、一緒にご飯食べたり…って、ちゃんと一般人してますって。」 火影の顔が険しくなる前にカカシは大慌てで付け加えた。 「命令どおり、オレが写輪眼のカカシだって誰にもばれないよう気配も仕草も変えてますよー。」 むぅっとカカシは口を尖らせた。幼い頃に両親を亡くし四代目に師事したカカシにとって、三代目は常に近くにいた存在で、今も里長の前にいるというより身内のじいさんと話をしているという雰囲気だ。 「この間なんかガイのやつ、オレの素顔知ってるくせ気づかなかったんですからね。たいしたもんでしょ。」 「この間とは…」 「スーパー木の葉の夕方特売。」 「あっあやつめもかっ。」 火影は額を押さえた。 「ガイといいおぬしといい、まったく。」 えへへ、と頭をかくカカシをみやり、火影はふぅっとため息をついた。 「すまんの、カカシ。久しぶりに里へ帰ってきたというに、面倒をかけてしもうて。」 「ホントですよ〜、オレなんかを里の宣伝に使うから〜。」 「だからすまんというとる。」 九尾の災厄後、木の葉の里を周辺諸国は虎視眈々と狙ってきた。早急に力と優秀さを誇示したかった木の葉は、当時勇名を馳せはじめた「写輪眼のカカシ」を広告塔にしたのだ。忍びとしての戦歴は申し分ない。幸い、本人は里の外を転戦している。木の葉の上層部は、ヒーローとしての「写輪眼のカカシ」像を喧伝し、十年もたつうちにそれが国内外に定着してしまった。 そこへ本人の帰還である。上層部は慌てた。なにせこのはたけカカシ、忍としての力は群を抜いていても、中身はいたって普通の男だ。いや、普通の男ならばまだいい。 『あやつはぼ〜っと抜けとるからの。』 『抜けとるだけならばまだいいわ。まだ直っとらんのじゃろう、あの悪い癖はっ。』 『四代目仕込みじゃからのぅ。』 『『『あの貧乏性めがっ。』』』 写輪眼のカカシが実は非常にマメで貧乏性だというのは里の最重要機密だった。スーパーの特売に目がないのはもちろん、「定価で物を買うな」と骨の髄まで四代目に仕込まれたカカシは、高給取りにもかかわらず、欲しい物がバーゲンで安くなるまでじっと待つ。そして喜々としてバーゲンセールへ繰り出すのだ。 半年ほど前、里へ一時帰還したカカシが、先着三名のみDVD半額のセールに並ぼうとしたのを、暗部一個小隊で阻止したことは、里の上層部にとっていまだ記憶に新しい。 『靴下の穴をかがるくらいは人目につかんからまだいいんじゃが…』 『バーゲンセールは人目があるから自重せいと何度諭しても言うことをきかん。』 『あやつめには己が里を代表する顔なのだという自覚が足りんのだっ。』 そう、写輪眼のカカシは里の顔だ。その『顔』が特売品の品定めをしたり、靴下の穴をかがったりしていることが知られたらどうなるか。 木の葉の里って貧乏なんだ。 周囲の評価がそう下されるのは間違いない。 木の葉は里の顔である上忍にすら満足な給料を払えず、ビンゴブックに名を連ねるほどの忍が困窮の末、バーゲンにならび、穴のかがった靴下をはいている、そんな噂が立とうものなら、他里は木の葉を侮るだろうし、同じ忍達は上忍への夢を持てず志気が下がる。同じ木の葉の上忍達も肩身の狭い思いをするに違いない。 里のヒーローは喜々として特売品の品定めをしてはいけないのだ。だが、そのことをいくら説いても、根が呑気なカカシには暖簾に腕押し、ぬかに釘だ。業を煮やした里はとうとう勅命を出した。 『スーパー、及びバーゲンセールへの出入りを禁ずる。』 『リサイクルショップへの立ち入りを禁ずる。』 『資源ゴミ置き場のゴミを拾うことを禁ずる。』 『下着、および靴下は常に新品ブランド物であること。』 『外食は料亭、もしくは三つ星クラスのレストランに限る。』 後に、『はたけカカシ五ヶ条の誓文』と呼ばれる勅命だ。当然、写輪眼のカカシは、え〜っ、え〜っ、という猛抗議をしたが、上層部は黙殺した。だが、しょんぼりとなったカカシを流石に気の毒と思った三代目が、窮余の策をひねりだした。いわく、 『気配をかえ、一般人のふりをするならばこの限りではない。』 との妥協案だ。ついでに里で問題になっている質の悪い上忍達のしっぽをつかんでこい、と付け足すのを忘れてはいなかったが。 「だいたい、上忍にはステータスも重要じゃと教えたであろう。バランスをとらんおぬしが悪い。いつもいつも、安物狙いばかりするでないわ。」 火影はコン、と音をたて、たばこ盆にキセルの火を落とした。 「安物買いじゃありませんよ。三代目、バーゲンセールっていうのは、同じ物が半分の値段で買えるんです。」 「何を買っても釣りがくるくらい、報酬は貰っておろうが。たまには定価で気前よく買うくらいのポーズをとらんか。」 「四代目が定価で物をかうのは無駄遣いだって。」 火影はがくり、と肩を落とした。気を取り直すように、新しいタバコをキセルに詰める。 「カカシよ、せめておぬし、パンツくらいはよいものを穿け。」 カカシが穿いているのは、三枚78両のお徳用パックである。 「色もデザインも様々にあるというではないか。」 「え?だって、履き心地一緒ですよ。だったら安い方がいいでしょ。」 「おぬし、敵に捕まったとき、安物では恥ずかしかろうが。」 「オレはそんなヘマしません。」 埒があかない。やれやれと首を振る火影に、カカシはむくれ気味に言った。 「で、悪さする連中も捕まえたことですし、オレ、いつまでこうしてりゃいいんですかね。」 「あと少しの辛抱じゃ。」 宥めるように火影は眉を下げた。 「来年の春には、ナルトがアカデミーを卒業出来るはずでの。おぬしに上忍師をまかせたいと思うておる。それまで辛抱せい。」 下忍を教育しておるとなったら、スーパーくらい行っても不自然ではないからの、と言われ、カカシはしかめっ面をした。 「オレの試験は難しいですよ。ナルトだからって贔屓はしません。」 「なに、あのイルカが育てた子供達が卒業するんじゃ。大丈夫に決まっておるわ。」 カカシはわずかに目を見開き、それからぽつっと呟いた。 「イルカせんせが…?」 「………なんじゃ、その舌っ足らずな呼び方は…」 眉を寄せる三代目には答えず、カカシはふっと考えに沈む。 「まさかおぬし、イルカに素性を…」 「イルカせんせ…」 「こりゃカカシっ。」 焦ったような三代目の声にカカシが顔を上げた。 「大丈夫ですよ。勅命でしょ、自分から素性を明かしたりはしません。でも…」 カカシは少し言いよどむ。それからまた一人思いに沈んだ。火影が訝しげに見ていると、しばらくじっと考え込んでいたカカシは唐突に口を開いた。 「オレね、イルカ先生の前では一般人のふり、やめます。」 「なっなんじゃと…」 「だからね。」 にこり、と目を細め、だがカカシはきっぱりと言った。 「イルカ先生の前でオレはもう気配も変えないし、一般人のふりもしない。はたけカカシのままでいます。」 「なっ…」 あまりの脈絡のなさに火影は呆気にとられる。今まで、里の顔としての心得を説いていたはずなのに、何故イルカの前では素のままでいたいといいだすのか。まじまじとカカシを見ると、カカシはいつになく真面目な顔つきだ。 「わけを言わぬか。さっぱりわからん。」 「オレにもわかりませんよ…ただ…」 カカシはふっと目を落とす。 「あの人の前で自分を偽りたくないだけです。」 「カカシよ…」 三代目火影は何か言いかけたが、そのまま言葉を飲み込む。火影にとって、幼い頃、側に置いたカカシは孫も同じであるし、イルカにしても、九尾の災厄で両親を亡くして以後、孫同様に可愛がってきた。 どうやらスーパーの特売で知り合ったようじゃが、カカシがここまで真剣な顔をするとはの… 火影はふぅっと大きくため息をついた。ここは任せた方がいいのかもしれない。 「おぬしがそこまで言うならかまわぬが…」 火影は一言、言い添えた。 「じゃが、それじゃとおぬしが写輪眼のカカシだとばれるのは時間の問題となるぞ。」 「そうでしょうね…」 「受付で出くわしたらどうする。あれはアカデミーと受付を兼任しておるのだ。」 カカシは困ったように笑った。イルカは中忍、カカシが気配や仕草を変えず素のまま接し続けていたら、たとえ忍服を着て顔を隠していても、会えばばれるだろう。そうしたらイルカはきっと怒る。カカシともう関わりを持とうとしなくなるかもしれない。だがカカシは、これ以上イルカの前で己を偽りたくなかった。何の作為もないまま、イルカと付き合っていきたかった。 「三代目、あの人ねぇ。」 カカシはどこか夢見るように言った。 「さっきね、命がけでオレのこと、守ろうとしてくれたんですよ、ホントに…」 イルカはカカシのために必死になってくれていた。もし、カカシに危害が及びそうになったら、イルカは本気で命を投げ出していただろう。今まで死線に身を置いていたカカシにはそれがよくわかった。 「あの人は本当にいい…」 胸がこんなに温かく満たされていく。ホントのことは言えなくても、これ以上嘘をつきたくない。 やれやれ、といった風に火影は頭を振った。 「おぬしの好きにせい。わしは何も言わん。」 どうせ来年にはイルカとおぬしを引き合わせるつもりじゃったしな、と火影は苦笑いした。 「すみません。」 カカシはとりあえず恐縮してみせる。もう行ってもよい、と言われ、カカシは部屋を後にしようとしてふと立ち止まった。 「三代目、念押ししときますけど、あのならず者どもの件でイルカ先生にとばっちりが及ばないよう、ちゃんとはからってくださいよ。」 「言われんでもわかっとるわい。」 木の葉の里長はしたたかな笑みを浮かべた。 「かの写輪眼が隠密行動で捕らえた悪人共じゃ。まぁ、これから里で見かけることはあるまいよ。」 「お〜こわ。」 カカシはおおげさに首を竦め、それからひょいと頭を下げて火影の執務室を出た。 建物の外へでると乾いた熱気が肌を刺した。残暑が厳しい。焼けるような日射しに目を細め、カカシは受付所のある建物をみやった。あそこにイルカがいる。 会いたいなぁ… だが、イルカの前でアスマやガイ達と鉢合わせるわけにもいかない。 オレもたいがい、小心者だよねぇ。 カカシはガシガシと銀髪を掻いた。火影の勅命を盾にとったが、その実、自分が「写輪眼のカカシ」だと名乗る勇気がないのだ。 だってこれからでしょ、仲良くなれるの… 里に帰ってすぐの頃、スーパーの特売になると見かけるイルカに興味を持った。Tシャツに短パン姿のイルカが中忍以上の忍だということはその立ち振る舞いですぐにわかったので、己の仕草や気配を一般人のものに徹してなるべく関わらないよう心がけた。だが、やはりどうしてもイルカに目がいく。なにせ選ぶ品物の傾向が自分と一緒なのだ。定価の物は買わない、特売品をバランスよく選んでいる。妙なもので、見かけるだけのイルカに親近感がわいた。そうして半月もたつ頃、豆腐の前でうんうん唸っているイルカについ声をかけたのだ。 あんな顔して笑うんだもんねぇ。 ぱぁっと嬉しそうに笑ったイルカを思い出し、カカシは口元を緩める。 それからだ。イルカと話をするようになったのは。イルカは気持ちのいい青年だった。経済観念はしっかりしているが、別にガツガツしているわけではない。なにげない世間話も心地よくて、イルカと一緒に買い物をするのがカカシの密かな楽しみとなっていた。 「畑野カカシ、さんか…」 カカシは小さく呟いて、それからため息をついた。イルカはカカシのことを、写輪眼のカカシと似た名前を持つ一般の里人だと思いこんでいる。名前のことでカカシが苦労したのだろう、という気遣いまでされた。その時に感じた胸の痛みが、じくじくと心の奥底でいまだ疼いている。里の方針とすれば、己のとった行動は正しい。「はたけカカシ」はバーゲンの特売を買ってはならないのだから。 「やっぱ、嘘つきってことになるよねぇ…」 声に出すと改めて落ち込む。理由はどうあれ、イルカを騙しているのだ。カカシにはそれが苦痛だった。かといって、今更「上忍のはたけカカシです。」と名乗れない。もしイルカに一線を引かれたら、と思うと怖くて言えない。 だってオレ、せんせと一緒にご飯食べたいんだよ… イルカに嘘をつきたくない、だがよそよそしい関係になるのも嫌だ。ぐるぐると相反する思いが渦巻き、カカシはしゃがみこんだ。乾いた地面から土埃があがって鬱陶しい。 「カカシさんっ。」 突然、イルカの声が自分を呼んだ。 「大丈夫ですかっ、カカシさんっ。」 「イルカせんせ?」 カカシは目の前に降り立った人物を見上げた。イルカは仕事中ではなかったのか、目をぱちくりさせていると、イルカが困ったように頬を掻いた。 「すみません、驚かせて。あの、オレ、あそこで仕事してたんですけど…」 受付所のある建物を指さす。カカシがこくん、と頷くと、ますます困り顔でイルカが言った。 「窓の外みたら、あなたがしゃがみ込むのが見えて。」 イルカはすっと膝をつくと、気遣わしげにカカシを覗き込んだ。 「気分が悪いんですか?アカデミーの保健室がそこですから、オレ、一緒に…」 「イルカ先生…」 カカシは嬉しかった。自分が座り込んだのを見て、イルカは仕事中にもかかわらず、飛んできてくれたのか。 「オレのこと、心配してくれたんだ。」 「あっ当たり前でしょうっ。」 イルカは赤くなりながらも真剣な顔でカカシの手を取った。 「立てますか?今なら忍医が詰めていますから、」 「ん、気分が悪いわけじゃないんです。ちょっと色々考え事してただけ。」 カカシは笑って立ち上がった。 「イルカ先生が心配してくれたから、元気でたかな。」 イルカの顔がまた赤くなった。元気ならそれにこしたことない、とか何とか、もごもご言っている。 あぁ、この人は… カカシは胸が熱くなった。 この人はこんなにも真っ直ぐだ。 それに比べて自分は、本名すらきちんと名乗っていないではないか。偽ったままイルカと向き合うのがひどく後ろめたい。 「イルカ先生、あの…」 声が掠れた。 オレの名ははたけカカシ、木の葉の上忍です。 「あの…オレの…」 「はい?」 真っ黒なイルカの瞳がカカシを見つめる。温かな、どこか慈しむような眼差し。 「…オレは…」 はたけカカシなんです。 言葉が喉の奥につっかえる。喉がひゅっと鳴っただけで、何も言えない。 情けな… 結局、自分は臆病者なのだ。イルカに嘘をつきたくないと言いながら、今の関係を手放すことを怖がっている。居たたまれずにカカシは目を伏せた。 「カカシさん。」 ふいにイルカがカカシの手を取った。何か固いものを握らされる。びっくりしてそれを見ると、銀色のカギだった。 「オレんちのカギです。」 「…え?」 戸惑うカカシの手をイルカはもう一度強く握ると、大真面目に言った。 「当座、必要なものを自宅から持ってきてください。布団はあるので、下着とか替えの服とか。」 「あっあのぅ…」 わけがわからずただきょとんとするばかりのカカシにイルカは噛んで含めるように続ける。 「荷物を持ったらオレの家へ先に入っていてください。オレもなるべく早く帰ります。」 「え…あの…イルカ先生…」 イルカは心配そうにぎゅっと眉を寄せた。 「あの連中のことが気になるのでしょう?無理もない。相手は忍ですから、そりゃあ怖いですよ。」 「は…はぁ…」 カカシが何と答えていいかわからず、途方に暮れていると、イルカは安心させるようにぽん、とカカシの肩に両手をおいた。 「心配しないで。オレだって木の葉の忍のはしくれです。あなたに手出しはさせませんよ。ただ、あなたの安全が保証されるまではオレの家にいたほうがいい。不自由でしょうが、そうしてください。」 言われたことの意味にようやく気づいたカカシは、大きく目をみひらいたままイルカを見つめた。 イルカ先生の家に…? 「今ならあの連中は暗部に拘束されていますから、荷物を取りに帰れますよ。オレは火影様に処罰のことや仲間の有無を確かめておきます。火影様は公正な方だ、なんの心配もありませんよ。」 思いも寄らないイルカの言葉に、じわじわと喜びがわいてきた。 イルカ先生の家で一緒に暮らす… イルカはそんなカカシの様子を不安のあらわれと受け取ったのか、にっこり笑って頷いた。 「大丈夫、あなたのことは命にかえても守ります。誰にも傷つけさせたりしない。」 「…イルカ先生…」 後ろめたさも何もかも、イルカの一言でけしとんで、ただ嬉しさだけをカカシは噛みしめた。いずれ己が写輪眼のカカシだとイルカにばれる日が来るだろう。だが、その時はその時だ。イルカがどんな態度をとろうとも、今度は自分が命がけで信頼を得ればいい。 ごめんね、イルカ先生… 今はこの心地よさに甘えたい。 騙したままだけど、それでもオレは、素のままあなたに向き合うから。 「うん、ありがとう…」 カカシはへにゃっと相好を崩した。 「ありがと、イルカせんせ。」 一瞬、イルカは照れたように目元を染めた。それからカカシを安心させるよう、力強い笑みを向ける。 「じゃ、オレは仕事に戻ります。カカシさん、気を付けて。」 もう一度イルカは頷くと、素早く印を結んでかき消えた。カカシは受付の建物を見上げる。 「イルカ先生、かぁっこいい…」 カカシは小さく呟いた。今まで感じたことのない温もりに胸が満たされる。 あのタチの悪い上忍達の処罰は、三代目に頼んでしばらく秘密にしておいてもらおう。 カカシはなかなかにセコイことを考えつつ、足取りも軽く自宅への道をたどった。今日からイルカの家で暮らせると思うと、口元が弛んでしかたがなかった。 KIOSUKのばいおばさんが、日記に描いてくださっていたイメージイラストをおねだりしたおしてゲットしましたっ。うう、かわえぇよ、カカシ。四代目にしこまれた正座ってことなんで、お話にこれからきちっと盛り込む所存っ。裁縫箱にちゃんとトレードマークの「へのへのもへじ」が描いてあるところが憎いぜこんちくしょーーっ。また続きも頼んます(図々) ばいおばさんvありがとうございます〜〜〜vv (ばいおばさんの美麗イラスト&漫画サイトにはリンクページから飛べます。ソッコーGOでっせ) |
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カカシさんの事情編。木の葉の誇る写輪眼のカカシの秘密が今あきらかに。そして、イルカ先生んちの合い鍵ゲット、棚ぼただなぁっ、カカシィっ。 |
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