それいけ、バカップル




「レオリオ、レオリオ。」

ああ、恋人がオレの名を呼ぶ。今、ここにクラピカがいる。なんたる幸せ。

「おい、聞いているのか、レオリオ。」
「はいはい、きーてるって。」
「だからな、はたけカカシの技は虚構とはいえ十分念能力開発のための参考になると思うのだ。」

こいつは、また何にハマったんだ。この間はミニラとゴジラだったな。カカシ?なんだそりゃ。

「それ以上にだな。」

突然、クラピカがうっとりとした笑みを浮かべる。オレは一瞬、どきりとした。何だ、この色っぽい表情はっ。

「いい男だと思わないか?カカシ先生…」

ほうっ、て、そのため息は何だ、こらっ。ここにこんないい男がいるっていうのに、そもそもなんでカカシが先生つけて呼ばれなきゃならんのだ。


カカシ(案山子)…1・鳥獣を脅してその被害を防ぐために田畑に立てた人形。
         2・見かけだけで無能な人。


………いい男っていわれても…


「だがな、バショウから送られてきた添付の資料によると、なんとイルカ先生と恋仲なのだよ。」


イルカ(海豚)…イルカ科の海産ほ乳動物の総称。体調一〜五メートル。


…………田畑の人形と海産ほ乳動物が恋仲…………?しかも敬称つき…………


「他にもナルイルだのサスイルだのあるらしいが、私個人の好みはカカイルだな。」

カカイルって、サスイルって、そんな天使のようね微笑みをうかべて言わないでくれ、ああ、またバショウだと、いったいあの国では何がおこっているんだ。第一、せっかく久しぶりにオレのところに帰ってきて、なんで他の事に夢中になっているんだ、クラピカ、オレの心はとっくにお前のものなのに。


「DVD購入することにしたんだ。レオリオ、カカシ先生は本当にかっこいいぞ。レオリオ?どっどうしたのだ。腹でも痛いのか。なんで泣いているんだ、レオリオ?」


いや、腹じゃなくてね、胸がいてーの、胸、オレのハート。


とにかく、オレはあの国が大っ嫌いだ。ハンゾーとバショウの国なんざ、くそったれだ、くそったれーっ。



クラピカは不思議に思っていた。このところ、レオリオはジョギングに凝っている。一日一回、夕陽に向かって泣きながら全力疾走するのだ。変わったジョギングだが、健康にいいことだし鍛練にもなるので止めさせようとは思っていない。それよりも早くバショウから届いたブツを確認しなければ。本当にあの国はおもしろい。緋の眼を集めて一族の無念をはらしたら、あの国に永住しよう、そうだ、今日そのことをレオリオに提案してみよう。きっと喜ぶ。だって、彼はとても嬉しそうに自分の話を聞くではないか。

いい事を思いついたと、クラピカは一人くすっと笑った。
あの国に家をかまえて、毎日ビデオをかりるんだ…
二人の素晴らしい未来を思い描いて、クラピカは幸福だった。


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日記小説第2弾、イーヨが何のジャンルにはまったかもろわかりですね〜。そのうち、小部屋つくりたいなぁ、な〜んて。ここのクラピカさん、日本のアニメファンです。しかもバショウがオタク仲間だったりだったりだったり…(エコー)