なんだこれ?

押すとふにふにする。レオリオが目をぱちくりさせていると、正面に座っているクラピカがやはりびっくりしたように目を見開いてこちらを見ている。それからかぁっと頬を染めた。

およっ?。

レオリオは足を横にすべらせてみた。クラピカの太股にあたる。

ってことは、今、オレが押したのは…

レオリオはにんまりした。右足の親指で、今度はゆっくりと柔らかいものを揉むように押す。そしてつつっと上になで上げた。クラピカは耳まで赤くなった。何か言いたげに唇が動いたが、そのまま俯いてしまう。それを了解と受け取ったレオリオは本格的に足を動かしはじめた。

内股を指でなぞっては、緩急をつけてクラピカの中心を刺激する。コットンパンツの上からでもわかるほど、芯を持ち始めたそれをレオリオは執拗に扱いた。

「…はぁ…」

クラピカの唇から吐息が漏れた。その甘い響きにレオリオの腰がずんと疼く。

「なぁ…クラピカ…」

欲望にレオリオの声が掠れた。

「もっとこっちに…こっち来いよ…」

クラピカがはっと顔を上げた。大きな目が潤んでいる。

「今度は手でしてやるから…」

頬を上気させたまま、クラピカはこくりと頷いた。こたつの影にクラピカが消える。それから、もぞもぞとレオリオの方へ下半身が寄せられた。レオリオは自分の方までのびたクラピカの足をつかむと、熱くないようこたつの中央を避けて脇へ寄せた。その手でクラピカのコットンパンツも下着も取り去ってしまう。レオリオに見えるのは、こたつから出ているむき出しの足だけだ。

ぺろり、と足の裏を舐めると、ひゅっと息を飲む音がした。レオリオはクラピカの片足を、こたつの足をまたぐように横へ移動させた。おそらく、クラピカは首から下はこたつに潜った格好で横たわっているはずだ。左手で片方の足首を掴むと、口にその指を含んだ。びくっと震える。こたつ布団から覗いている足の指を舐めながら、右手はこたつに潜らせる。内股をすべらせ、中心にふれると、あっ、と小さく叫びがあがった。すでに芯を持って震えているクラピカ自身を手で丹念に愛撫し、同時に足の指も舌でなめ回した。

「あっあぁ…んっ…」

こたつの中の体がぴくぴく跳ねる。顔が見えず、喘ぎ声だけが漏れ聞こえてくるのはなんともエロティックだ。レオリオはわざと音をたてて、足の指をねぶった。クラピカの中心に施す愛撫の手もやすめない。クラピカのそそりたったものがぐちゅっといやらしい音をたてはじめた。


「やだ…ああ…あっあっ…うぅ…ん…」

クラピカの喘ぎ声もいつもより大きい。触れてくる男の顔が見えないことに興奮しているのかもしれない。レオリオはゴクリと喉をならした。クラピカのもう片足をこたつの足の外側にだすと、自分も下穿きをすべて取り去り、こたつの隣の面に移動した。

クラピカは斜めに横たわった格好なので、相変わらず顔は見えない。レオリオはクラピカの股の間に足を交差させるように入り込み、寝ころんだ。自身も興奮して先走りをこぼし始めている。両手をこたつにつっこんで、クラピカの腰をつかむと、ぐいっと男根同志をすりあわせた。

「ひっ…ああっ…」

クラピカが悲鳴をあげた。かまわずレオリオは、性器同士をすりつける。睾丸をもみくちゃに押しつぶしあい、片手はクラピカの腰を掴んだままもう片方で屹立したもの同士をこすりあわせた。

「いやっ…やだ、レオリオっ」

クラピカが身をよじる。だが、腰をつかまれているので、かえって性器をきつくこすりあわす結果になった。

「ああっ…イッ…あぅっ…」
「いいんだろ、クラピカ。」

レオリオは息を荒げ、互いの男根をひとまとめにして激しく扱く。

「やだっやだっあああぁーーっ。」

クラピカの足がびくびくとけいれんした。レオリオの手に熱いものがふりかかる。

「…くっ…う…」

何度か腰を震わせ、クラピカが達した。はぁはぁという息づかいが聞こえる。いったん手を止めたレオリオは、クラピカの下半身をこたつの外へひっぱりだした。手に受けた白濁を指にからめると、後ろへすべらせた。

「あっ。」

跳ねる腰をおさえ、白濁をクラピカの後孔にぬりこめる。

「ああっんんっ。」

クラピカの両足が力無くこたつ敷きの上を滑る。ひどく扇情的な姿だった。こたつ布団から見えているのは、露わになった下半身だけ。レオリオは白い足を大きく開かせると、ぺとりと菊座に舌を潜り込ませた。唾液を落としながら襞を押し広げていく。快楽のせいでクラピカの喘ぎはすすり泣きに変わっていた。

「はんっ…あぁぁ…はぁ…ん…」

レオリオの舌の動きにあわせるように、喘ぎとすすり泣きが漏れる。レオリオは舌を引き抜き、指を潜り込ませた。

「あああーーっ。」

腰が激しく跳ねる。性急にレオリオは指を増やした。ひゆっとクラピカが喉を鳴らす。三本の指を内壁にすりつけると、力を失っていたクラピカの性器がぐん、とたちあがった。まだイッていないレオリオのモノが耐えきれないというように震える。

「すまねぇ、もう、だめだ…」

レオリオはそう呟くと、さっきと同じようにクラピカの足の間に体をいれ、交差させた。腹まで反り返った己のものを手で押さえ、クラピカの後孔にあてがった。ぐっぐっと小刻みに腰を入れていく。

「…っきつ…」

レオリオは呻いた。指と舌でほぐしていても、久しぶりなので入り口は固かった。クラピカも苦しいのだろう、体が強ばっている。傷つけないよう、レオリオは慎重に腰を進めた。一番太い部分が入り、抱えているクラピカの足からふっと力が抜ける。それを見澄ましてレオリオは奥まで突き入れた。あぁっと声が上がる。内壁がぎゅっとからみついてきて、あやうくもっていかれそうになった。

「う…」

レオリオはなんとか持ちこたえる。クラピカの中は熱かった。しばらくじっとなじむのを待って、宥めるように太股を撫でていると、クラピカの腰がもじもじと動き始めた。

「クラピカ…」

レオリオが欲望に濡れた声で名を呼ぶと、はぁっと甘い吐息がきこえてくる。我慢の限界だった。クラピカの腰を両手で抱え直し、奥に向かって突き上げる。

「…クラピカ、クラピカ…」

熱に浮かされたように名を呼び、腰を振った。気遣いも何もかもどこかに飛んでしまっている。じんじんと快感が背中を駆け上った。たまらなく気持ちがいい。ガンガンと激しく突きあげると、クラピカのいいところを掠ったのか、悲鳴をあげて体を跳ねさせた。ぎゅっと締め付けがきつくなる。

「くっ…あぁっ…ああぁぁっ」

二人とも夢中だった。ガツガツと腰を振り、声を上げる。互いに恋人との情交だとわかっていっても、顔が見えないだけで、ただ快楽だけを貪るセックスのように感じる。背徳的な感覚に興奮した。クラピカの喘ぎが大きくなった。レオリオも汗まみれだ。ひたすら、絶頂にむかってクラピカを突き上げる。ぐいっと再奥を突いた瞬間、クラピカが痙攣した。

「はぁっあああっ…」

体をのけぞらせ、白濁をまき散らす。

「ぐぅっ…」

再度の締め付けに耐えられず、レオリオもクラピカの中に欲望を注ぎ込んだ。







しばらくつながったまま、二人は荒い息をしていた。ようやく身をおこしたレオリオがクラピカの中から自身を引き抜く。ずるり、と出ていく刺激にクラピカが小さく声を上げた。

レオリオはごそごそと這うようにして、クラピカの側に回り込んだ。クラピカが顔だけレオリオに向け、照れくさそうに微笑んだ。汗に濡れた金髪をかきあげてやると、うっとりと目を閉じる。レオリオはその瞼に唇をおとし、それから優しく唇にキスをした。それから横になったまま、しばらく黙って抱きしめあった。不思議な気分だった。体だけを貪るようなセックスをした後、こうやって顔をあわせると愛しさが胸を満たす。胸に抱き込んだクラピカがくすり、と笑いを漏らした。

「ん?」

少し体を離してのぞき込むと、クラピカはまだ頬を上気させたまま、それでも悪戯っぽい表情をする。 

「いや、なんだか二人とも、間抜けな格好だな、と思った。」
「あ…」

レオリオもぷっと吹き出す。確かに、間抜けだ。上はおそろいのオフホワイトのセーターで、下はすっぽんぽんなのだから。

「だっけど、燃えたなぁ。」

たまにゃベッド以外のところでヤルのもいいな、と呟くと、クラピカから頭をはたかれる。

「洗濯が大変だ。」
「な〜に、替えのこたつ敷きにカバーを買えばいいって。」

暢気に言いながらレオリオはまたクラピカを抱きしめた。

「まぁ、案外いいもんだなぁ、この、こたつってヤツもな。」

さっきまで心の中でこたつを呪っていたことなどさっさと隅に追いやってレオリオはニヤついた。

こりゃ、結構色んなプレイが楽しめるかもしれねぇ。

頭の中はすでにピンク色だ。だが、ふと、背中に回されたクラピカの手に力がこめられる。きゅっと抱きついてくるクラピカにレオリオは戸惑った。

「クラピカ?」
「お前とこたつに入ってみたかったんだ…」

レオリオの胸に顔を埋めたまま、クラピカは言った。

「東の国の人々は、その…家族とか…皆でこたつに入っていた…」
羨ましかった…

ぽつっとこぼし、そのままクラピカは押し黙った。



ああ、そうか…


レオリオは得心した。

ハンターなんぞ、因果な商売だ。いつ、どこで命を狙われてもおかしくない。だから、こたつのように視覚を遮る暖房器具に、誰かと足を突っ込む呑気ものはそうそういまい。しかも、今回のクラピカの仕事は、裏社会がらみだった。

人一倍寂しがり屋のくせに、こんな商売やってっから…

レオリオはクラピカの髪を優しく梳いてやる。そして耳元に囁いてやった。

「オレ、愛されてんなぁ〜。」

胸元からムッと見上げてくる恋人の額に口づけを落とす。

「ゴンやキルアも呼んでやろうな。」

あいつら、こたつ見たら喜ぶぞ、そう言うと、クラピカは嬉しそうに笑った。その無邪気な笑顔に、レオリオの腰がまたズン、と重くなる。

「なっなぁ…クラピカ…」

レオリオはクラピカの足に自分の足をからめた。

「まだ足りねぇんだが…その…」

決まり悪げにレオリオの目が泳ぐ。クラピカがくすっと肩をすくめた。

「今度はゆっくり抱いてくれ。」

お前の顔を見ていたい、甘い吐息とともに囁かれ、レオリオは目の前の体にむしゃぶりついた。セーターも何もかもはぎとって、白い体に我を忘れる。とてもゆっくり抱くような余裕は持っていなかった。

膝裏を抱え上げ、性急に腰を突き入れると、クラピカのそこはすんなりレオリオを飲み込む。さっきレオリオが中に出したものが漏れだし、動くたびに卑猥な音を立てた。喘ぎながらクラピカが手を伸ばしキスをねだってくる。レオリオは両手をクラピカの顔の両脇につくと、深く舌をからめた。そのまま腰を突き上げてやる。深い快感にクラピカは震えた。唇を離し、激しく動きながらレオリオはクラピカの耳元に荒い息とともにささやきかける。

オレがいるから、ずっとお前の側にいるから…

クラピカの目元から、ぽろっと涙がこぼれ落ちた。後はもう、言葉もなく裸でからみあった。



そして、白々と夜が明ける頃、意識を飛ばすようにして二人とも眠りに落ちた。




☆☆☆☆☆





翌日、流石にクラピカは動けなくなっていた。レオリオが真っ赤になっているクラピカを抱いてシャワーを浴びる。あれほど大胆に求め合ったというのに、一夜明けると、クラピカは一緒にシャワーを浴びるだけでも恥ずかしがる。

そういうところも可愛いんだなぁ、と内心、レオリオはニヤけつつ、ベタベタに汚れた互いの体を綺麗に洗った。後処理をクラピカが許してくれず、一人でやってしまうのだけは残念だったが、目の保養と思えば悪くない。



結局、その後、クラピカは、こたつ敷きの汚れていない方にころがって一日中ごろごろこたつに潜っていた。レオリオは汚れを水拭きした後、こたつ敷きとカバーの注文をする。

なんつーか、いいもんだな、うん。

こたつと家具類のちぐはぐな取り合わせももう気にならない。こたつだと意外なほどクラピカが大胆になる、もうそれだけでバラ色だった。どんなプレイでもやってくれそうだ、スケベ根性全開でレオリオの胸はふくらむ。

それになぁ…

東の国でこたつに入る人々に、クラピカは死んでしまったクルタの人々を重ねたのだろう。そして、ハンターとして生きる道を選んだ己の姿に、必要とあらば屍を踏み越える己自身の姿に傷ついたのかもしれない。

馬鹿だなぁ、とレオリオは思う。どんなに血で汚れても、その魂は澄み切っているというのに、自分では気づいていないのだ、クラピカは。

だから、精一杯温めてやろうと思う。つまらないことを考える隙間を作らないよう、そして気づくよう。心の底から信頼できる仲間を得られたということは、何にも勝る幸福なのだ。

それに、こう言っちゃあ何だが、オレみたいな伴侶を持てたっつーのは最上級の幸せなんだぜ。

レオリオはこっそり呟くと、キッチンから湯気の立つスープを持ってこたつに運んだ。

「クラピカ〜、朝メシだ。ほれ。」
「ん〜〜。」

寝ぼけ眼でクラピカがこたつから起きあがる。ハンターとして仕事に出るまでのあいだ、こうやって小さな暖かさを積み上げてやって、クラピカを一杯満たしてやろう。



この冬は、まずはこたつでしっぽりと。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆

35555ヒットリク、「甘いレオクラ」、朔月様に捧げます。リク、ありがとうございました。「甘いレオクラ」確かに甘いけど、やっぱ下品?っつーか御庶民的っつーか…いや〜、なんか、香り立つロマンっつーもんがないっすね。こう、ゴージャスな天蓋つきのベッドで睦み合うくらいのことは書けんのかっ、と己に突っ込み。シルクハット上げて優雅に「ボン・ソワ」って感じでね(厳窟王が脳内浸食してきてるな、だいぶ)
とっとにかく、朔月様、どうぞお受け取り下さい。返品不可だってばよっ(何いばってんだか)