クラピは小さな男の子。
自分のことを何も知らない。
黒髪に黒い優しい瞳を持った、レオリオと一緒に暮らしている。
金の髪、碧い目をした小さなクラピ。
これはクラピとレオリオの小さな優しい物語り。


 
        小さなクラピ



小さなクラピは絵本が大好き。今日も絵本を読んでいる。

これは昨日レオリオと、一緒に買った新しい絵本。
ふとクラピは顔をあげ、レオリオに呼び掛けた。

「レオパパ、一つ質問だ。」

首をかしげるレオリオの、目の前のテーブルに、クラピは絵本をよいしょと置いた。

「お父さんとお母さん、ここにそう書いてある。」

それからクラピはごそごそと、レオリオの膝によじ登り、絵本を開いてみせてやる。

「レオパパ。図解が描いてある。これはお父さん、これがお母さん。クラピカはよくわからない。」

絵本には、ニコニコ笑った男の人と女の人が描いてある。レオリオは膝のクラピの髪をなで、優しい顔で微笑んだ。

「そうだな、クラピカ。子供のことをとても大事に思っている、そんな大人のことだよ、きっと。」

クラピは絵本に目を戻し、笑顔のその絵をじっと見る。小さなクラピはお父さんを知らない。お母さんも知らない。黒い瞳のレオリオは、ちょっと悲しい目になった。突然クラピの頭が動き、大きな碧い目をあげる。

「ふむ、わかった。要するに、レオパパということなのだな。」

レオリオは、びっくり顔でクラピを見た。クラピの小さな人さし指が、絵のお父さんの上をなぞる。

「クラピカのお父さんのレオパパ。」

小さなクラピの小さな指が、お母さんの絵をなぞる。

「クラピカのお母さんのレオパパ。」

それからクラピはにこっと笑った。

「クラピカにはレオパパがいるからよい。」

小さなクラピはそういうと、レオリオの膝にちょこんと座り、再び絵本を読みはじめた。黒い瞳のレオリオは、小さなクラピを抱きなおした。レオリオの胸にすっぽり包まれ、小さなクラピは絵本を読む。クラピの金の髪の毛が、レオリオの胸でさらさら揺れた。

「そっか。クラピカ。レオパパがいるからいいか。」

黒い瞳のレオリオは、小さなクラピをきゅっと抱きしめ、金の髪に頬ずりした。

「こらっ、レオパパ、くすぐったい。クラピカは読書中だぞ。」
「ああ、そうだな。わりぃわりぃ。」

笑いながらレオリオは相変わらず頬ずりする。

「レオパパ、真面目に聞いていないな。」
「聞いてるって。聞いてる聞いてる。」

クラピはぶんぶん頭を振った。そしてぷんすか怒り出す。
だって、どうしてもレオリオが頬ずりをやめないのだもの。
そして、小さなクラピには、頬ずりするレオリオが見えなかったのだもの。
笑いながら泣きそうな顔をしていたなんて。


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ショタもの…ちっが〜うっ、なんでそう汚れてるかなぁっ(汚れてるのはおれら?)
突発で何はじめたんだか…最近、原稿に追われて頭、沸騰してるのがよ〜くわかりますねっ。しかもこれ、恐ろしいことに続いちゃったりなんかする。もとはといえば、今はサイト、なくなっちゃいましたが、カミンさんのイラストがすっごくかわいかったので、小さなクラピの話、おもいついたんですな。小ネタをちょこちょこアップする予定であります。ははは〜