ウルトラマンネクサス



ウルトラマンネクサス

かっこいいウルトラマンだ。

写真だけみると、なんかヘルメットかぶってるみたいなデザインだけど、演出がいいせいかムッチャクチャかっこいい。

なにせあれだよ、オープニング、特撮ファンのハートがっちりつかむ黄金の演出っ、いや、定番の演出ってヤツなんだけどね、やっぱなんといわれよーと今まで培われた知恵の結晶、ヘタに斬新なことやられるよりゃよっぽどいいんです。

何がかっこいいってね、暗いなか、片膝ついたウルトラマン、逆光の中、目だけ光ってます。ゆっくり立ち上がります。きゃああああ〜っ、てなもんよ、マジ。

このウルトラマン、前回のコスモスのアクションがカンフーっぽく柔らかい動きだったのに対して、硬派です。バリッバリに力業ウルトラマン、そしてこの力業こそがウルトラマンの真骨頂だと実感させてくれる動きで、往年のウルトラファンにはたまりません。

そーだよそーだよ、ウルトラマンのパンチはこうでなくっちゃ。

だいたいね、基本的に殴り合いで物事解決するのがウルトラシリーズなんだから、変に「戦わず共生を目指す」なんてがんばらずに開き直りましょうや。殴り合いの中に辛さや共生への希望を入れればいいんです、四の五の言わずに。



ところで、このネクサス、面白いことに今回、変身するのが「隊員」じゃありません。

歴代のウルトラマンは「科特隊」みたいな国際防衛組織の一隊員が変身してたけど、ネクサスはフリーカメラマンが変身します。(って、オレのウルトラマン歴はレオからゼアスまでは空白なんでそのあたりは断言できない。ゼアスはガソリンスタンドの店員だったけど、あれもガソリンスタンドとは仮の姿の組織だったし)

そして、変身するカメラマンは主人公じゃない。

主人公は地球解放機構、だったかな、HPで確認しないとちょっとあやふや、その新米隊員です。彼はホントにふつーの人間、その新米隊員がひょんなことからウルトラマンに変身するカメラマンと関わり合いになって、物語が進んでいます。

まだ敵の正体もわからないけど、今回の組織もかなりうさんくさい部分があって、モンスターの情報が一般に漏れるとパニックになるから、ってんで情報操作をばっしりやっています。

そしてそのうさんくさげな、でも正当な国際秘密組織らしいけど、それの基地がこれまた定番ですね、な〜んと「ダム」の中。
ダムの壁がガーッと開いて飛行機、つーか、クロムチェイサーっていうらしいけど、そいつが飛び出すんだな。うお〜、これぞ秘密基地。特撮ファンの胸きゅんきゅんっ(死語)


で、この組織のトップっつーのがまたうさんくせ〜おやじだ。元内閣調査官だったらしいけど、この松沢管理官っていう人もようわからんし、「イラストレーター」と呼ばれてる謎の天才美少年、そう、美少年、重要ですね、皆の前にはホログラムでしか現れない天才少年が色々指示出してる。

でもって、この組織の実行部隊・ナイトレーダーの隊長さんってのが、「ほんとにこの人、信じてついていっていいの?」って感じの和倉隊長。

いや、もしかしたら、設定上は信頼おける人物なのかもしれないけど、これまでの彼を見ているととてもじゃないが命預けられないタイプ。役者のせいなのか脚本のせいなのか演出のせいなのか、それともホントにうさんくさい人なのか、読めないところがスリリングです。

だってねぇ、これまでの隊長さんって、ガッツにしろスーパーガッツにしろシグにしろ、アンタだけは信頼できる、ってオーラ全開だったからさ、ど〜にもねぇ…

組織のトップ、松沢管理官にしたって、コイツ、どたんばでオレ、見捨てんじゃねぇだろうな、ってオーラ全開で、今までのトップが体はって部下守ってきただけに、ほんとうさんくさいよ。


んでもって、副隊長がまたブチきれた女だ。
ど〜も幼少期に「モンスター」がらみで不幸な目にあっているらしい彼女は、ウルトラマンネクサスにも、変身するカメラマン、姫矢君にもすぐ銃をぶっぱなすという過激なお人。

そりゃね、気持ちはわからんでもないが、そんなにすぐ銃を人に(彼女はモンスターと思ってるからなんだけど)向けるのはいかがなものか…

しかも、必死で体張ってウルトラマンをかばおうとする主人公、孤門君を脅すわ突き飛ばすわ、あげくネクサスの報告は偽りだわで、とてもじゃないがあんなのが上司だったらたまりまへん。命がけの任務、絶対一緒にいきたくないです。

これって、役者が悪いのか脚本が悪いのか演出がわるいのか、はたまたそういう信用できないキャラねらってるのか、よく読めないところもツボかと(はい、つくづく思います。私はウルトラシリーズに甘い。)

その他の隊員にいたっては、もう存在感なさすぎっ、つーくらい存在感がない。総勢五人のエリート実行部隊、ナイトレーダーのうち、一人はうさんくさい隊長、もう一人はキレた副隊長、そして主人公、残る二人は、あんたら、いたのっつーくらい存在感のない男と女。

それぞれなにかのスペシャリストらしいんだけど、それなりに存在感たっぷりだったこれまでのウルトラシリーズには珍しくインパクトなさすぎな二人。これも何かが悪いのか、ねらっているのか、ようわからん。


古いウルトラシリーズだって、隊員達はそれぞれ結構個性の固まりだった。初代ウルトラマンの科特隊のメンツにいたっては、グレイトとしかいいようがない。

新しいシリーズだって、ほれ、ガッツの隊員、全員、他の番組に出てたってすぐわかるよ。スーパーガッツしかり、シグにいたっては、チームライトニング、チームファルコン、チームクロウ、チームマーリン、チームシーガル、チームハーキュリーと戦闘部隊だけでこれだけいて(各チーム三人いる)そのうえオペレーターのアッコとジョジー、トップは千葉参謀に石室コマンダー、堤チーフ、それだけじゃない、地上のジオベースの瀬沼チーフ、樋口さん(元マスクマンのレッド)強面の柊准将、テレビスタッフの三人、我夢の大学の友人達、アルケミースターズのダニエルにキャサリン、稲森博士、っとまぁ、思いつくだけどもこれだけのメンツがそれぞれインパクトあった。数えてほしい、何人いると思う。それなのに、ナイトレーダーのあの二人、たった五人の中だぞ、もそっとがんばれ。

役者がダメなぶん、脚本と演出ががんばらないと彼らに陽は当たらないと思います。



主人公は優しい感じのかわいい子で、繊細な感じの恋人が(ヘタだけど)心の支えみたいです。そりゃね、あんな副隊長の側にいたらねぇ。まぁ、ストーリーはこれから乞う御期待ってことで、まだはじまったばかり、どう転ぶかわかりません。

しかしこのシリーズ、信じられないくらい下手な役者ぞろいで(いや、これまでだって下手な役者多かったけど、今回は群をぬいてるわ、もう戦隊物なみにヘタ)、組織もトップもうさんくさくて(もしかしてミステリアスをねらってるんだったらゴメンよ)それでもそんなマイナス点を補ってあまりあるウルトラマンのかっこよさ、ネクサスのアクションがかっこよさ路線を貫く限り、このシリーズに失敗はないと…期待したい(ヲイ、その間は何だ)

まぁ、シリーズ構成が長谷川圭一さんだから、大きな失敗はないとおもう。今までもすばらしい脚本、かいてらっしゃるから。


あ、もう、言うのもヤボだけど、基地のセットだのミニチュアだののレベルは本当に高いですね、円谷は。もうすっばらしいの一語につきます。そりゃ、なんで隊員の体にすごいGがかかるような出撃方法とるかな、とか、戦う前にそれじゃ死ぬでしょう、みたいなマシンへの乗り込みかたに突っ込みどころは満載だけど、みてくれがすごくかっこいいからよしとしよう。

特撮にリアルな突っ込みは厳禁なのさ。ふっ。


クロムチェイサーの飛ぶとこなんか、すごいよ〜。ウルトラマンの作る亜空間も綺麗だよ〜。これまでの特撮スタッフ、川北さん達がジャスティライザーにいってしまっても、全然レベル落ちないってことは、やっぱり人材豊富なのよね。そして円谷がからむだけで、なんでこう、クオリティあがるんだろう。円谷プロ、すごいと思います。

とにかく、土曜朝七時半、当然起きるわけないから、ビデオ予約で、しかも保存だ。これからの一年に花がさいたような気分、ネクサス、君は特撮の希望の星だよっ。あぁ、グランセイザーで打ちのめされた心のキズが癒えていく。最初の二回を見逃した己のうかつさが呪わしいわっ。

実際のところ、製作陣の思惑がどこにあるのか、ちょっとHPで主張を聞いてこようとは思ってるんですが、だってねぇ、あそこまでうさんくさいと。今、暇なしなんで、でもいきたい、ネクサスのHP。

ともあれとにかく、がんばれ、ネクサス、ケロロ軍曹とともに私の生きる糧だぞ、ウルトラマンネクサスっ。これからがほんとーに楽しみです。