御近所のお子さまが、うさぎのくるみちゃんを連れてきた。もう、プリンちゃん、大興奮。だって、プリンちゃんにとっちゃ、くるみちゃんは立派な『獲物』なのだ。いつも鳥を狩り損ねているプリンちゃんは思ったらしい。

この素晴らしい獲物を逃がしたくない…

で、プリンちゃん、慎重に慎重にことを運ぶことにした。なにせこの獲物、図体は自分より大きいのだし。

まず、匂いを嗅ぐ。

そして、体を低くして忍び足で近付く。




いやね、プリンちゃん、マイスィートハート。

アンタ、忍び足って、くるみちゃんはとっくにアンタのこと、気付いてるって。
横には近所のお子さま達やお母さんいるしね。

コープンしているプリンちゃんはそのことを全く認識していない。そして…

がばっ(プリンちゃんがとびかかる音)
べしっ(プリンちゃんが金角にはたかれる音)

「だーーめでしょーがっ。プリンッ。」

べべべっ、と脇に飛び退るプリンちゃん。

しっかし、相手は猫、いくらオレ様が見張っているっていっても、隙をみて爪をたてるかもしれない。

「ね、プリンちゃんがくるみちゃん、狙ってるから、連れて帰ったほうがいいよ。危ないよ。」
「大丈夫だよ〜。だって、くるみ、いっつもサツキ(このお子さまの飼ってる猫の名前)に毛をむしられてるから慣れてるもん。」

いや、お嬢さん、そういう問題じゃなくてですね…

だいたい、くるみ、おぬし一応うさぎならば、猫が危険ってこと、もう少し認識したまえ。なんだ、そのまったりとした危機感のなさはっ。

そうこうしているうちにも、獲物をあきらめきれないプリンちゃんが背後から忍び寄る。

「あ〜、プリンがーっ。」
べしっ(プリンちゃんがオレにはたかれる音)

だーかーらっ、うさぎ連れて帰ってくれよ、お子さま達っ。
マジあぶねーんだからさ。
万が一くるみが怪我したら、病院代払わにゃいかんのよっ。
いくらあんた達が大丈夫って言ったからって、大人の世界はそれじゃすまないのっ。

日が暮れてお子さま達の帰る時間になるまで、すさまじい緊張をしいられたある春の日の出来事…

ちなみに、シュウ君はくるみちゃんの図体におそれをなして、半径1メートル以内に近付きませんでした。
相変わらず、気の小さい奴…