青春学園文化祭


手塚  「集合っ」(いつもより眉間の皺が深い手塚)
手塚  「竜崎先生より達しがあった。今回の文化祭において、男子テニス部は劇をおこなう。」
     (劇?劇?とざわつく部員達)
手塚  「題材はHXH。これより配役を決める。」
越前  「なんスか、それ。」
桃城  「なんだ、越前、しらねーの?クラピカって金髪美形のハンターとレオリオって黒髪野郎のラブストーリーだぜ。」
大石  「も…桃、違うと思うぞ…」
越前  「あ、それ、知ってるッス。オレの親父、旅団のノブナガとかなんとか、バイトでやったって。」
不二  「じゃ、僕がクラピカだね。当然。くすっ。」
      (異義な〜し、の声とため息。カチローが綺麗だろうねぇ、と呟く。海堂、何故か赤くなる。)
不二  「それで、僕の恋人は誰がやってくれるの?」
      (どよめく部員達)
大石  「だから、不二、そういう話じゃないって…」
不二  ねぇ、手塚。手塚がレオリオやってよ。」
      (仏頂面のままうろたえる手塚。部員の視線が集まる。)
手塚  「いきなり何だ。」
不二  「手塚がレオリオやってくれるんでしょ。背丈も丁度いいしね。」
      (にこにこする不二、手塚の眉間に皺。)
手塚  「勝手に決めることではないだろう。だいたい、なんでおれがオヤジ臭い役を…」
      (すっと不二の笑みが消えて目が開く)
不二  「ふーん…嫌なんだ、手塚は僕の恋人役。」
手塚  「いや、そういう意味じゃ…」
不二  「僕が他の人とラブシーンやっていいんだ…」
手塚  「ラッラブシ…」
      (赤くなった仏頂面に部員達がざわめく)
大石  「不っ不二っ、だからそういう話じゃなくて…」
不二  「桃城、レオリオやってくれるね。」
桃城  「え、マジ、いいんスかっ。」
越前  「あ、先輩だけずるいッスよ。」
不二  「じゃ、越前はキルアね。」
越前  「うぃーッス。」
菊丸  「っつーことはぁ、オレ、ヒソカだにゃ〜。」
不二  「タカさんはパワーあるからウボォがいいよ。」
河村  「え、いいのかな、僕なんかで。」
不二  「タカ狩りしてあげるね。はい、ラケット。」
河村  「うっしゃあっ、バーニーングっ、不二、オレの胸にカモーンッ。」
       (焦る手塚)
手塚  「不ッ不二っ。これは部全体で話し合って…」
不二  「ゴンは黙ってて。」
手塚  「ゴ…ゴン?」
不二  「そ、ゴン。主役だし、君と一緒で釣りするし。」
手塚  「つ…釣りは確かにおれも趣味だが…」
不二  「じゃ、文句言わないで。それとも…」
       (にっこり笑った不二に手塚以下部員全員後ずさる)
菊丸  「ありゃ〜、不二、かなりキレてるにゃ〜。」
桃城  「部長が下手なこと言って怒らすからッスよ。」
大石  「こっこら、お前達、あおるんじゃないっ。」
越前  「まだまだッスよ、先輩がキレると。」
不二  「ねぇ、手塚。僕のために何か釣ってくれるの?」
手塚  「あ…ああ。」
不二  「ほんとに?手塚。何でも釣ってくれる?」
      (つつーっと人さし指で手塚の胸をなでる不二。手塚、ぼうっとしている)
不二  「僕だけのために?」
      (部員達の前というのも忘れて手塚は不二の手を握りしめる)
手塚  「不二っ、お前が望むのなら何だって。」
不二  「じゃ、鯨。」
手塚  「なっ…」
不二  「白鯨釣ってよ。」
手塚  「!!!!!!!!」
不二  「頼んだよ、ゴ・ンv」
越前  「あ〜あ、尻にしかれてるんだ(ひそっ)」
桃城  「ばか、聞こえるって(ひそっ)」
大石  「お前達っ。」
菊丸  「ところでさ、大石は何やんの?」
大石  「えっ、おれはこういう劇とかは…」
菊丸  「へっへ〜っ、お〜いひ〜。」
乾   「うん、そうだね。似ていなくもないな。」
海堂  「オレじゃダメっすか。」
乾   「海堂、君にはもっとふさわしい役をあげる。」
大石  「おっおいっ、いったい何を…」
不二  「頭の形がそっくりだよ、大石。」
菊丸  「おでこの入れ墨、オレ描くにゃ〜。」
越前  「大石先輩。あんなド派手なコート、着るンスか?」
桃城  「へ〜、先輩が素肌にコートっすか。結構、大胆っすね。」
大石  「待っ待てっ、それはもしかして…」
全員  「団長、クロロ・ルシフィル。」
大石  「いっいやだぁ〜〜〜っ、よせ〜〜っ。」
不二  「ね、決まったよ、てづ…あれ、手塚が白くなってる。」
越前  「先輩が白くしたんじゃないッスか。」
乾   「心配いらないよ、ゴン。俺がミトさんになって鯨釣りのデータ集めてやるから。」
海堂  「で、オレは何すりゃいいんです。」
乾   「マチ。」
海堂  「……………マジ…」
乾   「ははは、君でも駄洒落を言うんだ。」
海堂  「じゃねぇっ。」
乾   「かわいいと思うよ。君の生足。」
海堂  「オ…オレは負けねぇ…」
菊丸  「ぎゃはは、海堂の生足〜っ。」
乾   「菊丸、君はあっちで固まってる『青い果実』の心配でもしたらどうだい。」
菊丸  「………………」(ゴンのコスプレをした手塚を想像した)
菊丸  「やっぱイヤ〜〜っ、不二ぃ〜、かわって〜〜〜っ。」
不二  「イヤ。クラピカはレオリオとラブラブなんだから。」
手塚  「不二っ。クジラだろうがヒグマだろうが、お前のためなら釣ってやるぞっ。」
桃城  「部長、レオリオ役はもう譲れないっすから。」
越前  「まだまだだね。」
         (突然、ドアが開いて竜崎スミレ先生登場)
竜崎  「お前達、配役は決まったかい。衣装を頼まにゃならんからね。ちなみにあたしが今着ている衣装が今度の…」
         (部員全員が白く硬直している)
竜崎  「お前達、どうかしたのか?」


       竜崎スミレが誰の衣装を着ていたのかは文化祭当日まで謎であった。

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   オフ本「君のくちびる」収録済
   画像、関連マンガをそのうちアップする予定…