夢みたい…
目の前にど〜ん、と豪華な海鮮どんぶり。
ウニにいくらにマグロにエビにヒラメにカンパチにチヌにイカって、そりゃ〜〜〜豪華などんぶり。オレの願望すべてがどんぶりにのっていた。
オレは嬉しかった。すごく嬉しかった。腹も減っていた。
あぁ、どれから食べよう。
このぷにぷにとしたイクラか、いや、まずは淡白なヒラメを味わって、それから徐々に脂ののった食材にうつって、う〜ん、やっぱりウニは最後だろう。口の中にのこる余韻を楽しみたい。
だがその前に、だ。オレはどんぶりのすみっこに陣取っているガリを箸でつまんだ。
正直ガリはあまり好きではない。だが、オレは食べ残しはしない主義だ。そして嫌いな物はさきに食べてしまう。とっととガリを処分して、それからじっくり海の幸を堪能しよう。
オレは箸でつまんだガリを口にほうりこんだ。うん、好きなものではないが、えらく上等のガリだ。酢の塩梅も丁度いいし、上品で食べやすい。さすが、豪華などんぶりはガリまで違う。
オレはガリを食べ終わり、いったんお茶を飲んでから、箸をかまえた。
さぁ、いよいよだ。やっぱりこりゃ、ヒラメから…
「イッルカせんせー、起きて起きて、朝ですよー、朝ご飯できましたよー。」
「………」
「今朝はトーフのみそ汁とアジの開きにおひたし、う〜ん、我ながら健康的ー。」
「…………」
「はたけカカシ、あなたへの愛を込めて作りましたっ、な〜んてねっ。」
「……………あ」
「たーんと食べてくださいねーっ…って、ぎゃ〜、先生、なっなに〜〜」
「ちくしょうっ、ばかやろーーーーっ。」
夢みたい、じゃなくて夢でした…
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